JSOX
JSOX実施のポイント
- JSOX対応を成功させるためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。まず、統制は重要なものに限定し、実質的な意味がない統制を構築しないことが重要です(また、不要なものは排除する)。不必要な統制は授業員、内部統制評価者、会計監査人等すべてのステークホルダーに負担をかけ、JSOXの形骸化や肥大化を招く原因となります。本当に必要なコントロールを見極め、実質を重視することが大切です。
- また、チェックリストや調書の記載方法にも工夫が必要です。具体的な資料名や固有名詞を記載すると、ちょっとした変更のたびに修正が必要となるため、「経理チェックリスト」や「上長の承認」などの一般的な記載に留めることで、メンテナンスコストを削減する工夫も大事となります。
- さらに、監査法人からの提案や指摘に対しては慎重に対応することが求められます。会社の内部プロセスや状況を最も熟知しているのは会社(従業員)自身であるため、監査法人の提案を無条件に受け入れるのではなく、JSOXの本質を理解した上で財務報告の目的に照らし、リスク及びそれに対応する内部統制をしっかり考えて対応すべきです。
JSOX対応する際に直面する一般的な課題
ノウハウやスキルの不足
- JSOXの目的や必要な財務報告統制を正確に理解し、適切に見極めるスキルが不足している。
- また、監査法人との協議において自信をもってコミュニケーションを取る能力も課題となる場合が多い。
リソースの不足
- 全社統制のチェックリストや「3点セット」の作成・維持など、必要な業務を遂行するための人員が不足している。
- 内部統制の整備状況を確認するためのウォークスルー調書の作成や、運用評価テスト、ロールフォワードの実施・記録などにもリソースが十分に確保できないことが課題となる。
M&AによるJSOX対象子会社の増加
- 子会社を買収した場合、当該子会社をJSOXの対象にするか否か、またはいつから対象にするかを判断する必要がある。
- 子会社の担当者に対し、何をいつまでに実施すべきかを説明するための知識やノウハウが不足しているケースが多い。
- さらに、必要なリソースが不足している場合、スムーズな対応が難しい。
海外進出や海外子会社への対応の難しさ
- 言語の壁や文化の違いにより、海外子会社との連携が難航するケースが多い。これにより、適切な統制や運用評価が行いにくくなることがある。
JSOX対応にかかる人件費の増加
- 社内リソースで対応しようとした場合、ナレッジや経験の不足から非効率的な運用となり、進捗が滞ることがある。
- 業務量に波があるため、忙しい時期とほとんど稼働がない時期が生じやすく、従業員を雇用している場合は固定費として人件費が発生し、無駄が生じることも。
- また、子会社の増加や海外進出により、突発的に工数が増加した際に対応する人材の確保が難しい。必要以上に人員を増やすと閑散期にリソースが余り、増やさないと業務が回らないというバランスの調整が大きな課題となる。
JSOXをアウトソースするメリット
1. 専門知識と経験の活用
アウトソースを利用することで、JSOXに特化した専門的な知識と経験を持つプロフェッショナルのサポートを受けることができます。これにより、内部統制の構築から「3点セット」の作成、評価作業、M&Aによる対象子会社の増加対応や海外子会社のサポートまで、多様なニーズに効率的かつ的確に対応することが可能です。
2. 人件費や固定費の削減
必要なタイミングで必要な業務だけを依頼できるため、社内で高スキルの人材を常時雇用する場合と比較して、コストを大幅に削減できます。また、固定費を変動費化できるため、業務負担やプロジェクトの規模に応じた柔軟な対応が可能となります。これにより、トータルコストの削減が期待できます。
3. 監査対応の効率化
JSOXの本質や監査のコンセプトを熟知したアウトソース先が対応することで、監査法人との建設的な議論が進みやすくなります。これにより、監査対応の手間や不必要な調整を減らし、監査コストや業務負担を軽減できます。
4. リソースの最適化
アウトソースによって、社内リソースを本業や他の重要な業務に集中させることができます。特に、突発的なリソース不足や専門的なスキルが必要な場面において、柔軟に対応できる点が大きなメリットです。
よくある質問
- 監査法人と監査契約していますが、JSOXの対応アドバイザリーを監査法人でなく他のコンサル会社に依頼してよい?
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監査法人と監査契約を結んでいる場合でも、JSOX対応のアドバイザリー業務を監査法人ではなく他のコンサルティング会社に依頼することは全く問題ありません。むしろ、制度上の要請により、監査法人がJSOX対応に関するアドバイザリーを提供することはできません。これは以下の理由によります。
1. 監査法人の独立性の確保
監査法人は、監査の独立性を確保することが法令および制度上求められています。この独立性を守るため、監査法人が最終的に監査意見の対象となるJSOXの設計や運用に関するアドバイザリー業務を行うことは認められていません。そのため、JSOX対応については、監査法人以外の他社に依頼する必要があります。
2. 他社に依頼するメリット
JSOX対応においては、監査法人以外のコンサルティング会社や専門家が、内部統制の設計・運用・改善についてアドバイザリー業務を提供することが一般的です。
これにより以下の利点があります:
- 専門的な支援:内部統制の設計や運用に関する専門的な知見を活用できる。
- 効率化とリスク軽減:内部統制プロセスの効率化やリスク軽減に向けた具体的なアドバイスを受けられる。
- JSOXを丸投げするのはよろしくない?
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JSOX対応をアウトソースすること自体は、よくあることであり、特に専門知識が必要な分野では効果的な選択肢と言えます。アウトソースすることは全く問題ありません。ただし、以下のポイントに注意することで、より効果的かつ適切な対応が可能になります。
1. 経営層や内部担当者の関与を確保する
アウトソースする場合でも、経営層や社内の担当者がプロセス全体を把握し、適切に管理することが重要です。アウトソース先に任せきりにするのではなく、対応の進捗状況や課題について定期的に確認し、必要に応じて指示を出す体制を整えましょう。
2. アウトソース先の選定と適切な管理
アウトソース先の選定に際しては、実績や専門性を確認することが不可欠です。また、委託後も適切な管理を行い、業務の質を継続的にモニタリングする仕組みを導入しましょう。
3. 内部での知見を残す工夫
すべてを外部に任せるのではなく、社内でも一定の知見を持つことが重要です。例えば、アウトソース先との協力を通じて社員が実務を学ぶ機会を作るなど、ノウハウを社内に蓄積する工夫を行うことが推奨されます。
- メネサイド(当社)では、最終的に会社内部でJSOX対応が自走できるよう、知識や知見を社内にストックさせることを目指して取り組んでいます。また、従業員の方々への研修や啓蒙活動を通じて、内部統制の重要性を理解し、継続的に取り組む風土を醸成します。私たちは、アウトソースの実施だけでなく、貴社が自律的に内部統制を運用できるよう、伴走型の支援を行ってまいります。
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- 規準改正の影響は?
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2023年4月7日、企業会計審議会は「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」の改訂を公表しました。この改訂は、2008年の内部統制報告制度(J-SOX)導入以来、約15年ぶりの大幅な見直しとなります。主な改訂内容は以下のとおりです。
1. 内部統制の基本的枠組みの見直し
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目的の拡大
内部統制の目的の一つである「財務報告の信頼性」が「報告の信頼性」に拡大されました。これにより、非財務情報を含む報告全般の信頼性確保が強調されています。 -
リスク評価の強化
「リスクの評価と対応」において、不正リスクの考慮が明示されました。また、「情報と伝達」では、大量の情報を扱う際のシステムの有効性が強調され、「ITへの対応」では、IT委託業務やサイバーセキュリティの重要性が指摘されています。 -
経営者による内部統制の無効化への対応
経営者が内部統制を無視または無効化するリスクに対し、取締役会や監査役等の監督・監視の重要性が強調されました。
2. 財務報告に係る内部統制の評価及び報告の改訂し
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評価範囲の決定方法の明確化
評価範囲の決定において、「売上高等のおおむね3分の2」や「売上、売掛金及び棚卸資産の3勘定」を機械的に適用すべきではないとされ、財務報告への影響の重要性を適切に考慮することが求められています。 -
IT統制の評価
ITを利用した内部統制の評価において、IT環境の変化を踏まえ、特定の年数を機械的に適用せず、必要に応じて監査人と協議して評価を行うことが適切とされています。 -
内部統制報告書の記載事項の明示
内部統制報告書において、評価範囲の決定理由や前年度に報告した重要な不備の是正状況など、具体的な記載事項が明示されました。
3. 適用時期
これらの改訂は、2024年4月1日以降に開始する事業年度から適用されます。企業は、改訂内容を踏まえ、内部統制の整備・運用を見直す必要があります。
今回の改訂は、内部統制の実効性を高め、財務報告の信頼性を一層確保することを目的としています。企業は、改訂内容を十分に理解し、適切な対応を進めることが求められます。
当社では、これまでの豊富な実績と培ってきたノウハウを活かし、貴社の具体的な状況に合わせた対応支援を行うことが可能です。具体的には、以下のようなサポートを提供いたします。-
改正内容の分析と影響評価
改訂された基準が貴社の業務や内部統制にどのような影響を与えるかを具体的に分析します。 -
内部統制の再設計と実装
改訂内容に基づき、内部統制の設計や運用を見直し、適切なプロセスを構築します。 -
実務対応のトレーニング
従業員向けの研修や啓蒙活動を通じて、新しい基準に基づく運用を定着させます。 -
監査法人や関連部門との連携支援
監査法人や内部監査部門との連携を円滑に進めるための調整を行います。
基準改正への対応は一律的なものではなく、各企業の業務内容や組織体制に応じたカスタマイズが不可欠です。当社では、貴社の状況に最適なソリューションを提供し、改正対応を全面的にサポートいたします。お気軽にご相談ください。
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目的の拡大
J-SOX対応支援サービス内容
当社では、J-SOX(日本版SOX法)対応において必要な内部統制の構築、評価、改善を包括的に支援します。以下に、具体的な支援内容をご紹介します。
1. 評価範囲の決定・見直しコンサルティング
内部統制の効率化を目指し、評価範囲を最小化することで、過剰な負担からの解放をサポートします。
2. 文書化アウトソーシング
導入初期に多大な労力を要する「3点セット」(業務記述書、リスクコントロールマトリックス、フローチャート)の文書化を支援します。
- 公認会計士の豊富な知見を活用し、効率的な評価を可能にするオリジナルフォーマットで作成します。
3. 評価アウトソーシング
期中の必要なタイミングでスタッフをアサインし、内部統制の評価における以下の作業を代行します。これにより、人手不足を解消し、コストの最適化を実現します。
- 整備評価(ウォークスルー)サポート
- 運用評価(運用テスト)サポート
- ロールフォワード評価サポート
4. 不備改善コンサルティング・モニタリングサポート
評価の結果として判明した不備事項について、以下を実施します。
- 適切な記録と集計
- 改善の方向性やアイデアの提案
- 改善施策の進捗管理と報告
現場担当者とのコミュニケーションを重視し、実現可能な改善策をサポートします。
5. 総合的評価・内部統制報告書作成サポート
期末における内部統制の最終評価を代行し、内部統制報告書のドラフト作成までを支援します。
6. 監査対応サポート
各フェーズにおいて監査法人との協議を代行し、適切な対応をサポートします。これにより、効率的に対応を進められるよう支援します。
企業のステージや状況に応じた柔軟な対応
当社の支援内容は、企業のステージや状況に応じてカスタマイズ可能です。必要な範囲に絞ってご支援を提供します。
たとえば:
- 上場準備段階で何も対応していない場合全ての支援内容を包括的に提供し、内部統制の構築をゼロからサポートします。
- 上場会社で子会社を買収したケース買収した子会社のみを対象に内部統制対応を実施することも可能です。
- 上場会社で内部統制チームの人員が退職した場合臨時的な対応として、③の評価範囲のみのサポートを提供することも可能です。
株式会社メネサイドでは、各企業のニーズに合わせた最適な支援プランを提案します。ぜひお気軽にお問い合わせください。